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日日良良

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2006年 11月 18日

素人と玄人

今日は、早朝から自転車にまたがり築地市場へ行った。
僕の知る日常とはかけ離れた世界がそこにはあって、活気というのか、それはそれは独特の匂いに包まれた空間で、魚の臭いとともに、そこで働く人の匂いが、別の日常を作り出していたのでした。
とにかく、そこに滞在した数時間は、しつこくこびり付くような濃密な体験でした。

銀座の裏にこんな世界があるとは。。

で、折角のなので、市場でも有名な仲家の海鮮丼やバカデカイ海老フライを頂き、団子等を買い食いしつつ、市場周辺を散策している最中、一軒のコーヒー店を見つけた。
「網兼」という店で、4畳にも満たない小さな店内には、カウンターと丸イスしかない。そこに、シャンとしたお婆さん(名前聞けば良かった。。)が、これまた驚く位うまいコーヒーを煎れるのです。
そのお婆さんの煎れるコーヒーを求めて市場の男達がひっきりなしに訪れていて、その光景も、なんだか良く分からないけれど、心やられてしまう感じなのです。

で、そこのおばばに色々と市場のことを聞いていると
「素人さん」というコトバを何度もおっしゃる。
僕は、「素人」と呼ばれることにあんまり慣れていないせいか、「素人」というコトバにネガティブなものを感じるせいか、最初かなり戸惑ったのですが、どうもお婆さんに悪意はみられない。ごく自然に優しさも込めて僕を「素人さん」と呼ぶ。
聞けば、お婆さんはかれこれ築地で50年もコーヒーを煎れ続けているそうな。
そんな人から出る「素人」というコトバは、僕が普段耳にするそれとはえらく違っていたのです。
「素人さん」
というコトバが出る度に、ホッと気持ちがほぐれていくという何とも不思議な体験でした。

コトバとは、その発せられる人によって、響くもの届くものが全く違うという。そんな当たり前のことに、気付き、ちょっと得した気分になったのでした。。

早起きは三文の得。

なのです。
素人と玄人_e0012238_235344.jpg

by rnwega | 2006-11-18 23:55 | DAIRY


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