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2006年 11月 27日

万歳!!ドゥクフレ

いやあ。今日はほんと楽しみにしていた
フィリップ・ドゥクフレの「solo」を鑑賞。

その昔(7〜8年前くらい?)、カニングハムとかフォーサイスとか、全く知らんかった時に、ダンス好きの友人達に誘われて、琵琶湖ホールでドゥクフレ初体験したときから、僕の中で、コンテンポラリーダンスと言えば、この人で、昔も今も一番好きな振付家!

映像、音楽、照明、身体とマルチメディアを駆使したステージは、正に総合芸術と呼ぶにふさわしい。(ココで、ドゥクフレの作品が観れます。しかも、soloのダイジェストが観れちゃいます!)
で、とにかく、分かりやすく、
そして、面白い!
文化とか、コトバとか、そういう余計なものをあっという間に超越しちゃうのも、
ドゥクフレの作品には笑いが満ちているせいなのだと、思う。
「笑い」
表現の上で、これほど重要なものはない。
と、大げさに感じてしまう程、
観終わった後、大いにはしゃいでしまい、
さっきなんか、風呂上がりに上がらない足をいっぱいにあげて、舞ってみた。。
当然、筋肉が追いつかない。。
とほほ。。

やっぱり、野口体操復活しようかな。。

〜おまけ〜
最近、コレを観ては、コミュニケーションってなんだろう?と考えてしまいます。
感動とは、コトバではなく、そっとした身体から生まれるのでしょうか。。
とにかく、これが多くの人に観られ、多くの共感を生んでいるということに、ヒトの偽善ではない、ピュアな気持ちを信じたくなります。。

# by rnwega | 2006-11-27 00:47 | STAGE
2006年 11月 24日

点心、イプセン、そして雨。。

楽しみにしていたイベント「タリエ-terje-」を観に横浜へ行く。
イベントは夜からなので、まず腹ごしらえに中華街へ。。

祝日の中華街。人だらけなのですが、我等夫婦の目指す目的地は「萬珍樓點心舗」。脇目もふらず、店に向かう。。
奥さんの強い希望で行ったこの店。噂に違うことなくメッチャ旨い。
点心を中心に頂いたのですが、何といっても忘れられないのが、海鮮粥!!
僕は、海鮮苦手なのですが、まあ良いダシがでていて、粥も驚く程にクリーミーなのです。
薬味を入れずとも、旨い旨い。
奥さんはマンゴープリンを筆頭に全てうまいうまいと、僕の分まで平らげた。。
値段も点心は良心的(660~)なので、沢山食べても値ははらない。
接客も良く。まあ満足感に溢れた時間を過ごせたのでした。

で、その後横浜新港ふ頭へ。。
「タリエ」は、ノルウェーの劇作家ヘンリック・イプセンの没後100年を記念したイベントで、横浜を皮切りにフランス、ギリシャなど世界各地を巡回上映するらしい。
で、イプセンの代表作「タリエ」の詩の朗読を伊武雅刀が務め、その独特の声と共に、扇状5面に配置したハイビジョンスクリーンから映像、迫力の音、照明、帆をイメージしたセット、そしてコンテンポラリーダンスが繰り広げられる。
その独特の空間演出は、屋外セットという環境も手伝って、容易にオーディエンスを非日常へと誘う。
僕は、こういうマルチメディアを活かしたアートイベントが大好きなのです。
「タリエ」の、「復讐と赦し」という時代を超えたテーマを、説教臭くなく、あくまで感覚としてオーディエンスが受け止め流す作法には、ホント表現として気になります。
こういうイベントは、頭空っぽにして、体験そのものを経験化することで、直感力が鍛えられるのではないでしょうか。

しかし。。イベント中振り出した雨は、ポンチョを着ているとはいえ、足先から痺れるような寒さを生み、それはそれは、寒かったのです。
その中で、震えることなくパフォーマンスを続けたダンサーに拍手が鳴り止むことはなかったのです。。
点心、イプセン、そして雨。。_e0012238_1365811.jpg


# by rnwega | 2006-11-24 13:07 | DAIRY
2006年 11月 18日

素人と玄人

今日は、早朝から自転車にまたがり築地市場へ行った。
僕の知る日常とはかけ離れた世界がそこにはあって、活気というのか、それはそれは独特の匂いに包まれた空間で、魚の臭いとともに、そこで働く人の匂いが、別の日常を作り出していたのでした。
とにかく、そこに滞在した数時間は、しつこくこびり付くような濃密な体験でした。

銀座の裏にこんな世界があるとは。。

で、折角のなので、市場でも有名な仲家の海鮮丼やバカデカイ海老フライを頂き、団子等を買い食いしつつ、市場周辺を散策している最中、一軒のコーヒー店を見つけた。
「網兼」という店で、4畳にも満たない小さな店内には、カウンターと丸イスしかない。そこに、シャンとしたお婆さん(名前聞けば良かった。。)が、これまた驚く位うまいコーヒーを煎れるのです。
そのお婆さんの煎れるコーヒーを求めて市場の男達がひっきりなしに訪れていて、その光景も、なんだか良く分からないけれど、心やられてしまう感じなのです。

で、そこのおばばに色々と市場のことを聞いていると
「素人さん」というコトバを何度もおっしゃる。
僕は、「素人」と呼ばれることにあんまり慣れていないせいか、「素人」というコトバにネガティブなものを感じるせいか、最初かなり戸惑ったのですが、どうもお婆さんに悪意はみられない。ごく自然に優しさも込めて僕を「素人さん」と呼ぶ。
聞けば、お婆さんはかれこれ築地で50年もコーヒーを煎れ続けているそうな。
そんな人から出る「素人」というコトバは、僕が普段耳にするそれとはえらく違っていたのです。
「素人さん」
というコトバが出る度に、ホッと気持ちがほぐれていくという何とも不思議な体験でした。

コトバとは、その発せられる人によって、響くもの届くものが全く違うという。そんな当たり前のことに、気付き、ちょっと得した気分になったのでした。。

早起きは三文の得。

なのです。
素人と玄人_e0012238_235344.jpg

# by rnwega | 2006-11-18 23:55 | DAIRY
2006年 11月 08日

世間が小さくなっている。。

〜邪魅の雫 (新書) 京極 夏彦 (著)〜

久々に小説を読んだ。
で、うーん。歳をとったのか、結構読むのに苦労した。。
まあ、京極堂シリーズは、いずれの作品もライトというよりは、ヘビーだし。
この作品では、いつものキレがあんまり感じられず、中盤は、はっきり言ってかったるい感じは否めない。キャラクターに頼りすぎている感じなのか、キャラクターに限界があるのか。。とにかく、話がちっとも前に進まない感じにイライラしながら読んだ。

気が短くなっているので、最近。。

でも、やはりこの作家のモチーフの選択力には、恐れ入る感じです。
小説の舞台は、戦後間もない昭和なのですが、モチーフは正に“今”的な時代性があると思うのです。(そこに、この作家の時代をみる眼力を感じるのは、僕だけなのか??)

今回のモチーフは、ズバリ「世間」というやつ。
で、今平行して読んでいる宮台真司氏の本でも「世間」が語られている。
日本を代表(!?)する社会学者と直木賞作家の切り取り型が同じというのは、偶然ではないでしょう。

インターネットというインフラが整備され、世の中がフラットになり、ウェブ体験が日常化する今、

「世間は非常に小さくなっている」

と、僕は思っている。その「世間が小さくなる」ことへの警鐘を、小説家と社会学者は別の形、別の方法で、伝えようとしている。。。
今、ホットな話題は、「世間が小さくなっている」ことだ。
と、この小説を読み終え、確信に近いものを感じる今日なのでした。。

# by rnwega | 2006-11-08 01:19 | BOOK
2006年 10月 17日

PR会社の時代

ほんの少し前まで、
これからは地道な活動による企業と社会・ユーザーとのコミュニケーション最適化を図るパブリック・リレーションの時代になる。と思っていた。
マス投下のBtoC的なメッセージに嫌気をさしてきているユーザーは、広告でモノを買わない。そして、企業側の都合の良いメッセージを素直に受け取るほどウブではない。だからこそメディアリレーションに長けているPR会社の方が、これからの企業コミュニケーション活動においてパートナーとして相応しい存在だろうと。
そう思っていた時期もあった。

しかし、日本はメディア・インの商品が多く(例えば飲料品)、いくらWEB2.0といったところで、なかなかその状況は変わらないのが実情。。
つまり、BtoC的な情報享受が気持ちいいと思っている人は、結構多いとじゃないでしょうか。
そういう状況で、日本のPRはメディアリレーションによる記事の露出が最優先され、結果、商品の認知をニッチに展開する。
ことが主な役割にとどまっていると思う。
日本のPR会社は、アメリカのそれと違い、ロビーイング活動なんてしないし。。
まだまだ、アメリカのような大きな展開を生んでいるパブリック・リレーションは少ない。残念ながら。

ただ、先の選挙自民党大勝の裏にPR会社の存在があったことが話題になったり、この本が出たりと。
少しずつですが、日本でもPRというのが注目されるようになってきた。

僕としては、PRの主な収益が“活動フィー”によって支えられていることに、価値をみています。
代理店の主な収益は、メディアバイイングによる手数料収入です。
しかし、今後を考えると、この手数料収入よりもフィー収入の方が安定するのではないかと見ています。
メディアが多様化し、ユーザーも多様化した時代は、やはりひとつひとつのメディア力は低下するはず。
そうした際、メディアにしがみついていくことでしか収益をだせない業態は、成長性が感じられない。。
それよりも自分の腕で稼ぐPRの業態は、その“技術力”で勝負している。
そういう意味で、今後この業界は大いに成長する可能性はある。と思います。

まあ、僕が前所属していた会社の代表が書いているので、かなり贔屓目ですけど。

話は少し変わりますが。。
今のウェブで流行のクチコミマーケティング、ブログマーケティングって、正にPRが得意とするところだと思うのだけど。
それを戦略的に展開しているのは、この会社ぐらいかもしれない。。
あとは、PR会社というより、インターネット専業代理店系の会社。。
ブロガーに取り上げられ易いニュースリリース、パブリシティを戦略的にコンサルティングできるPRマンがいたら、その人大活躍するんじゃないかしら。。
けど、そんな人を僕は知らない。。
このあたりの動向に弱いのは、広告の世界だけではなくPRの世界にも言えそうです。
結局、今の広告にしてもPRにしても、トラディショナルメディアの呪縛から解放されていないのでしょうか。。

# by rnwega | 2006-10-17 12:10 | BOOK